自己紹介対談

「どうして付き合わないの?」

 

一緒にいる時間が長くなるにつれて、そんな質問を投げかけられる機会が増えてきた。

 

出かける時は手を繋いで歩くし、キスやセックスもする。
他の人と一緒にいる時でも、隙さえあればイチャついてしまう。

 

傍から見れば、ちょっと痛い恋人同士といったところだろうか。

 

だけど、私たちは、あえて「付き合う」という選択をしないままにしている。

だからといって、セフレというわけではないし、最近よく話題に上がるようになったポリアモリーの類でもない。

 

SMに興味を持ったことがきっかけで、一風変わった関係を築くことになった水流苑と北の二人でお送りする『秘密の性愛ちゃんねる』。

第一弾は、自己紹介も兼ねて、私たち二人が自分たちの関係について話し合う様子を、対談形式でお届けしたいと思います。

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まち:

はじめまして、水流苑まちです。

名字はつるぞのと読みます。

ここまで真面目に執筆活動を続けてきたのですが、今年の夏くらいに同棲相手とお別れしたことで何かから解き放たれたらしく、本能のままに大人の研究を進めることに。

その流れで、官能小説や性愛研究書を執筆したり、匿名で性愛について語り合うオンライン・コミュニティを運営したりするようになりました。

このブログでは、パートナーのゆうすけくんと研究している『性愛×パートナーシップ』をテーマに書いていこうと思います。

 

北:

彼女ほし〜!と言ってるやつがセフレゲットしたら黙る説。

こんにちは。秘密の性愛ちゃんねる・相棒の北祐介です。

現在、パートナーのまちさんと一緒に穏やかで時折サディスティックな性愛探求をしております。

 

まち:

「最初のひとことは何?(笑)」ってツッコミたいところだけど、とりあえずそれは置いといて……。

ゆうすけとの関係は「SMプレイをやってみたい」というお互いの願望が一致したところから始まったんだよね。そこから私が性愛の研究に巻き込んでいった感じがある。

 

北:

オレはオレで新しい世界の探求をしたかった感はあるし、巻き込まれたわりにはバリバリやる気だったけどね笑

 

まち:

それね(笑)

ではでは、私たちがどういう関係なのかとか、そこから何を感じて、何を伝えていきたいと思ったのか、そのあたりのことを自己紹介も兼ねて話してみようか。

 

北:

やろ!

 

目次 

 

 

1.自宅をホームレスに占領されている放浪者×性愛の研究に熱心な女流作家

 

――まずはお名前をどうぞ

 

北:

名前は北祐介。ノースと名乗ることもあります。由来は僕の名字である「北」から来ています。

ちなみに、まちさんには下の名前である「ゆうすけ」と呼ばれています。名字がレア感あるのに、下の名前がわりと普通なので、まちさんと身内以外からは「北」で通っています。

 

まち:

改めまして、水流苑まちです。
よく、「水流苑は本名?」と聞かれるのですが、自分でつけた筆名です。

アイディアの源である水を円(苑)状に流す=循環させていけますように、という意味を込めてあります。

最近、遊びで『水流苑神社』を名乗ってみたら、妙にしっくりきたので、もしかしたら神秘的な活動と相性がいいのかもしれないなと思い始めている今日この頃です。

 

――どんな仕事をしているの?

 

北:

よく、どこにいるかわからないと言われていますが、拠点は東京メトロの終点・和光市駅。自宅を住み開きし、上京民のためのモノと人と妄想のハブ・Ground Mole和光を運営しています。(2月に移転予定)半年ほど、趣味でホームレスをやっていた関係から何かと仕事の関係で全国各地によく飛ばされることが多く、現地で面白そうな人を見つけては取材して記事を書いたり、現地で対話や表現をテーマにしたイベントを主催したりしています。最近、地方に行くのも面倒になったため、「オンライン文学部」などを立ち上げ、ガリバー旅行記みたいな「名前は知っているけど、読んだことがない本」を中心に読み、それらが抱え得る現代に通じるテーマについてゆるゆる話し合っています。

 

まち:

仕事って何? 気持ちいいこと?

二十四歳の春に会社員を辞めて以来、まともな職業に就いたことがありません。ていうか、会社員時代も勤務時間の半分以上は遊んでいたような気がします。

退職後は父の仕事を手伝うことでいくらかの収入を得ながら、小説を書いて文学賞に応募しまくったり、noteというサイトでエッセイを書いて売ってみたり、ブログで収益を上げようとしてみたりしていた他、『魔法の使い方を伝授する仕事』や『エロで稼ごうプロジェクト』など、謎のお小遣い稼ぎをしてきました。

自分の人生が展開していくにつれて、父の仕事の手伝いにエネルギーを注げなくなってきたので、思いきってそちらは今年いっぱいでやめることに決めました。
ちょうど、ゆうすけくんと「しごとを創ろう」という話をしていたところだったので、よし、本腰を入れてやっていくぞ、と意気込んでいる感じです。

 

2.付き合っているわけではないけどセフレでもない一風変わった関係

 

――付き合っているわけではないんだよね?

 

北:

はじめての彼女とは、毎晩電話してたり、塾帰りに毎日デートしてたりとかだったから、まちさんとの関係は、付き合ってるというよりかは、大好きな人に会って、一緒に遊んでるって感じかな。

ただ、人から説明を求められたときに、「付き合ってる」って言った方がめんどくさくないから、そう聞かれるたびに「どんな関係なんだろう?」って考えてるところ。

一緒にいて楽しいし、いろんな遊びに付き合ってくれるし、可愛いから会いたくなるパートナーってのが一番かも。

 

まち:

ゆうすけの中に『付き合う』の定義があって、私とゆうすけの関係はそこからずれてるから、付き合ってるのとはちょっと違うって感じなのかな?

 

北:

たぶん、付き合ってるって言ってもいいかもだけど、「付き合うこと」に甘えたくないってのが一番大きいかも。

 

まち:

付き合うことに甘えるっていうのは、「付き合っているから」でなんでも片付けてしまうってこと?

 

北:

まさにその通り。

「付き合ってる」が便利すぎて、友達相手には絶対にやらないようなことをやりがちだから、まず一人の人間として大切にしたいってのがあるからね。

 

まち:

一人の人間として大切にしたいっていうのは、すごく大事なことだし、うっかり忘れがちな部分だとも思う。

恋人に限らず、『お母さん』とか『夫』とか、役割として見られるとしんどくなるよね。

 

北:

そうね。それはしたくないし、されたくないね。

 

――これまでの恋愛と感覚が違ったりするの?

 

まち:

さっき、『人から説明を求められたときに、「付き合ってる」って言った方がめんどくさくない』って言ってたよね。

私もそういう時がけっこうあって、実は最近「もう彼氏ってことでいいや」って、仮に彼氏と呼んでいたりする(笑)

 

北:

実は僕も面倒な人には彼女って言うときがたまに……(笑)

 

まち:
一緒じゃん(笑)

でも、これまでの彼氏に対する感覚と比べたら、なんか違うんだよね。

 

北:

そうなんだ。どう違うの?

 

まち:

うーん、今までの恋人との間には、付き合った時点ですでにいくつもルールがあった気がする。しかも、お互い納得した上で決めたものじゃなくて、「恋人同士なら普通こうでしょ」みたいな感覚がもとになっていて。

 

北:

たしかに。
彼氏彼女じゃないからこそ、全部自分たちでつくる楽しさがあるよね。

まち:
うんうん。
「恋人なんだから」って言える隙がないのってありがたい。

北:
だからこそ、小さな違和感も共有できるような。「恋人だから」我慢しなきゃいけないが一切通らないから、すれ違いが起こりにくいし、なにかがあっても、すぐわかるしね。

まち:
あー、それあるね。
今の関係を大切にしたいからこそ、付き合うことに慎重になってるのかなって思った。


だいぶ前に、ゆうすけが「付き合うことでこの関係を終わらせたくない」みたいなことを言ってたじゃない? そういう感覚。 

たぶん、この関係だからこそ見えるものがあって、それって彼氏・彼女の関係を作っているカップルにとっても価値のあるものだと思うんだよね。
私たち自身もまだまだ関係を作っていっている途中だけど、そういう過程も含めて、このブログで伝えていけたらなと思います。

3.七歳差×遠距離恋愛はハンデにならない?

 

――年の差カップルだけど、ぶっちゃけその辺ってどうなの? 

 

北:

まちと僕は7歳差。仮に僕より下だったら犯罪だけど、僕より上なので問題ないはず。むしろ、まちはどう思っているかな?

 

まち:

私も特に問題ないというか、逆に魅力を感じているくらい。

正直、「私の方が七歳も上だから」という理由で、甘えたり頼ったりすることを躊躇する瞬間はあるけど、一緒に過ごした時間が積み重なっていくにつれて、少しずつ安心して寄りかかれるようになってきているなあって。

 

北:

一応躊躇はしてるのね(笑)
母からは若干苦い顔をされたような気でもないけど、「そもそも祐介はそういうタイプだったからねえ」と軽く納得された。

 

まち:
してるしてる(笑)
年下じゃなくても何かしら理由をつけて躊躇ってたと思うから、年齢はあまり関係ないんだけどね。

 

お母さんに話したの!?

いったい何て説明したんだ(笑)

 

北:

もともと、僕自身好きな女性のタイプは仲間由紀恵みたいな人で、黒髪ロングのキレイで落ち着きがあるけど、バカもやれる時折ポンコツなお姉さん。

なんやかんや、タイプにどハマリだからってのもそうだけど、まちとセックスしてて楽しかったり(←ここ重要!)、一緒にいるとなんか運が良かったりするので、今の関係になってる...…って説明した笑。

 

まち:

えっ、そこまで言っちゃったの!?
それはお母さん、相当びっくりしただろうな……(笑)

 

私も楽しくセックスできていることがすごく大きい。全員に当てはまるわけではないだろうけど、私はセックスってパートナーシップの要になる部分だと思ってて、その部分が上手く満たされていると精神的に安定するし、結果的に自分の人生に集中しやすくなるんじゃないかなって。

 

――遠距離恋愛でもあるよね?

 

北:

そういえば、僕らはいわゆる遠距離恋愛

僕は東京、まちは大阪と800kmくらいの距離があるはずなのに、「言われてみたらそうか」くらいの感覚で、あまり自覚がないんだよね。

 

まち:

たしかに、あんまり遠距離恋愛っていう感じがしないよね。

夜行バスを使えば「会いたい」と思った翌朝には会えるし、多い月だと週に一回くらい会ってるし。一緒にいる時に濃い時間を過ごせているっていうのも大きいのかも。

ただ、想いを伝えあう会話であったり、おしごとの話であったり、濃い話をする時は、実際に会って話す方が安心できるなあ、とも思っていて。

私たちの場合、気持ちを文章で伝え合うことでそこをカバーしている部分があるよね。遠距離恋愛や時間のすれ違いで落ち着いて話す時間をあまり取れない人たち、それから、直接想いを伝えることが苦手な人たちに、そのあたりのやり方も伝えていけたらなと。

 

まとめ

こんな感じで、とりあえずの自己紹介とさせていただきたいと思います。

最後までお読みいただいてありがとうございました。

 

今回は北の提案で、初めて『テキスト上で対談をする』という手法を用いてみました。半分はテキストファイルを共有することで時間差を作った対談を、もう半分はChatCastを使ったリアルタイムでの対談をベースにしてあります。

 

――テキスト上で対談をしてみて、どうでしたか?

 

まち:

これまでお互いが書いたエッセイを読んで感想を送り合うということはしていたけど、テーマを決めて何往復もメッセージのやり取りをするのはこれが初めてでした。

実際にやってみて、普段の会話の中で見えていなかった細かい部分を知ることができたり、タイミングがなくて話せずにいたことを口にするきっかけになったりと、お互いのことをより深く知るいい機会になったんじゃないかと思います。

 

日常の中でこういう話をやっていけることが理想だけど、一緒にいる時間が短いと難しい部分があるから、こんなふうにコミュニケーションを深めることをそのまま仕事にしていけたらいいなって。

 

北:

まちの感想でさらって出てたけど、もともとお互いの視点で二人の性体験を書くことはやってた。あれは販売価格一万円とかで誰にも見られないようにしてたのに、今回はブログで赤裸々に語ることになってまあビックリ。このブログを始めるまでに、いろんな人に今の関係のことを聞かれることがあって、思いの外いろんな人の救いになったようなので、今回はもう一歩勇気を出して発信してみようかなと思った次第です。

実際、やってみてなのですが、案外楽しかったので、これから対談形式で性愛やパートナーシップに関わるいろんな話をしていきますのでお楽しみに!